目標の設定

 企業は、大きくなるほど、目標の設定が難しくなる。具体性があり、現実的な目標とするためには、担当部署ごとに検討することになるが、担当部署ごとのバランスをどのようにとるのかという問題がある。中期経営計画など、意味のあるものを作ることは、難しい。(上場会社など、開示が必要な会社の場合は特に難しいと思う。)このバランスのとり方は、企業によってそれぞれなので、ここでは述べない。
 目標の設定は、少し背伸びしてでも、それに向けてがんばることが大事だという考え方もある。しかし、目標実現のために無理をし、コンプライアンス上の問題まで引き起こした例もあり、リーダーは緊張を強いられるところだと思う。
 これに対して、非公開会社のリーダーであれば、この点は柔軟にできるだろう。
 しかし、目標の設定で一番難しいのは、苦境にある会社の場合だと思う。こうした会社では、目標よりも当面の苦境打開に眼が行ってしまうようだ。どうしたら良いのだろうか。企業ごとに状況が違うので、一般的なことは言えないが、ひとつの考え方として提案したいことはある。
 たとえばキャッシュフロー上の悩みであれば、何かの入りと何かの出を観察し、そこに自分なりに考える「あるべき姿・バランス」を想定できるならば、そこから目標を設定することができると思う。こうした「あるべき姿・バランス」は、キャッシュフローの一覧表をよく観察し、そこからいくつか発見できると思われる。発見した「あるべき姿・バランス」を組み合わせれば、全体の目標になる。
 こうして作られた目標は、目指す価値があると意識されると思う。


投稿者名 前川弘美 投稿日時 2015年12月07日 | Permalink