内部対立の根源

世の中の紛糾・紛争の関係者は、実務家(運営者)と論評者とがある。
そして多くの場合、論評者の方が「声が大きい」。
実務家は、常にコントロールしなければならない案件を抱えているため、断定できず、あいまいなままとなることが避けられない。必然的に声は小さくなる。
私は、どちらの立場にも立つことがあり、どちらかが良いと考えているものではない。

しかし、事態が対立・紛争まで至ったとき、両者の関係は注意を必要とする。
実務家(運営者)は、相手に対して、「自分では、できもしないくせに。」と思う。
論評者は、相手に対して、「理屈を突き詰めれば、こうなるはずだ。」と思う。
問題は、論評者が、断定したときだ。世の中では、なぜか断定する人が多い。能力・経験がないにもかかわらずだ。また、論評者は、観念的で、頭の中だけの判断であることが多い。
実務家(運営者)は、黙ってしまう。こうなると、論評者は、かさにかかってくる。実務家(運営者)は、落ち込み、場合によって精神的にまいってしまうところまで行ってしまう。結果、実務の運営ができなくなり、皆が困ることになって終わる。

こうした事態は、夫婦間でも、会社の経営者間でも、経営者と従業員間でも、起こる。テレビの論戦では、しょっちゅうだ。
よく話し合いをしなさいというだけでは、解決にならない。どちらかの全体が分かる人が、回避するしかないだろう。消極的に思われるかもしれないが、回避した人を評価するべきだ。


投稿者名 前川弘美 投稿日時 2016年03月11日 | Permalink