現在の長期停滞は、富裕層が、お金を使わなくとも十分楽しめることを知ってしまったことが原因だと思う。

こだわりを作ることで、お金での評価の違いを生み出そうとする試みは、いつも行われている。
しかし、こうした「こだわり」は、「もの」のわずかな違いであることが多い。
もちろん、「もの」のわずかな違いでも、感性により、大きな違いとなることはあるだろう。

大きな違いとなるのは、その人の考え方が違ってくることにより、世の中のとらえ方が違ってくることの感動だろう。

それは純粋に知的な行為で、ある程度のお金は必要だろうが、お金が大きくなるにつれてより感動するというものではない。

このことをいったん知ってしまうと、お金をより使うことを考えるのではなく、知的価値を求めることへと進む。

こうしたことが実現するのは、一定の条件(社会の安全・安定)がそろうことは必要だろうが、それがそろった時代では、人はお金から離れていく。


投稿者名 前川弘美 投稿日時 2019年09月09日 | Permalink