中小事業者の技能

収入を得るためには、何らかの技能は必要だ。

どのような技能を身に付けるかは、その人の境遇、関心、能力、きっかけなど、いろいろで、人それぞれで、何が正解というものではない。

しかし、自分の技能については、自分なりに理解して、それを深めていかなければならないだろう。中小事業者であれば、尚更だ。

世の中の多くの人は、ともかくもどこかの会社に入り、言われたことに精一杯取り組むしかないと考えているかもしれない。こうした考え方でも、成長する人は成長するのだろうが、若いうちに、自分の技能について考える機会を持つことは大事だと考えている。

ところが、現在の(これまでも同じだが)学校教育では、先生自身の社会経験が少なく、学歴だけを求める傾向が強い。いろいろな職業を紹介する本もあるが、身近に社会経験豊富な人の話を聞く機会があったかどうかで、差が大きいと思われる。

大学に入学してから、自分で積極的に活動していけば良いという意見もあるかもしれないが、職人の世界では、せめて高校時代から訓練を受けるべきだという意見も聞く。親が、意識して子を導く必要があるが、子は、簡単には親の言うことを聞かないものだから、何らかのプログラムが用意されると良いと考えている。

技能を意識した人は、卒業時に、どこの会社に入るかが全てではなく、技能とともに活動の場(会社)を変えていくことを意識するだろう。就職が全てではなく、中小事業者として自立する道もある。

企業の側も、卒業時の一括採用のみという現在の方法よりも合理的な方法を考えるだろう。

そのためには、その会社だけしか通用しない技能ではなく、多くの会社に共通する技能が追求される必要がある。また、雇用の流動性を図る法制度も必要だろうと思う。


投稿者名 前川弘美 投稿日時 2017年04月28日 | Permalink