氏の変更許可審判

 親の離婚・再婚・養子縁組等で,親子の名字が異なってしまった場合,子供の名字を親と同じに変更するには,原則として①家庭裁判所の許可審判(民法791条1項)と②入籍届の提出(戸籍法98条1項)が必要です。また,これにより,子は当該親と同じ戸籍に入ることができます(戸籍法18条2項)。

 例外的に,親である父母が婚姻中であれば(離婚した親が再び婚姻した場合,父母が養子縁組した場合です。),②のみで可能です(民法791条2項)。ただし,子に配偶者がいる場合には,入籍届は当該配偶者と共に行う必要があります(戸籍法98条2項)。


投稿者名 柴垣直哉 投稿日時 2015年09月29日 | Permalink

養子縁組と戸籍

 養子縁組をした場合,原則として養子の氏は養親の氏に変更されます(民法810条本文)。ただし,養子が婚姻して氏を変更していた場合(民法750条),変更した氏を称している間は養親の氏に変更されません(民法810条但書)。

 さて,養子縁組時の戸籍変動はどうなるのでしょうか?

 独身者が養氏となる場合,養子は養親の戸籍に編入します(戸籍法18条3項)。その際,養親が戸籍筆頭者又はその配偶者でない場合,新戸籍が作成された上で(戸籍法17条),養氏も新戸籍に編入します。
 
 既婚者の方が養子になる場合,養子縁組届上に養子配偶者の同意が必要となり(民法796条本文),養子とその配偶者で新しく新戸籍が作られます(戸籍法20条)。その際,養子に子供がいる場合には,新戸籍への入籍届を別途提出する必要があります(戸籍法98条1項)。

 なお,氏については,例えば養子(夫)の妻の氏は,民法750条によって変更されますし,養子の子は入籍届によって同じ名字を名乗ることができます(民法791条2項・裁判所の許可は不要)。


投稿者名 柴垣直哉 投稿日時 2015年09月29日 | Permalink

経営者保証の担保性

債権者側の目線

 中小企業が金融機関等より事業資金を借り入れる場合,経営者個人を連帯保証人とするのが融資慣行です。貸主側としては,借主が破綻しても,経営者個人に責任追及すれば債権回収が可能と思っているかもしれませんが,保証契約の担保性能は極めて不安定です。例えば,経営者個人の財産を調査すること自体,個人情報保護の観点から多くの障害が存在します。また,経営者個人が破産手続を取られてしまうと,凡そ債権回収は困難になります。単に,保証契約を取り交しただけで安心することなく,融資以前に信用状況の調査をすることが肝要です。

経営者個人側の目線

 中小企業が金融機関等より事業資金を借り入れる場合,経営者個人を連帯保証人とするのが融資慣行です。この融資慣行は,①新規融資を困難にするばかりか,②中小企業の経営者交代にも悪影響を及ぼしています(債権者の承諾なく保証人の地位を移動できないため)。現在,日本商工会議所と全国銀行協会が「経営者保証に関するガイドライン」を公表し,その現状を変えようとしています。
 当事務所所属弁護士が,中小企業基盤整備機構が主催する同ガイドラインのセミナー講師として活躍しておりますので,お気軽にご相談下さい。


投稿者名 柴垣直哉 投稿日時 2015年08月10日 | Permalink