経営者保証の担保性

債権者側の目線

 中小企業が金融機関等より事業資金を借り入れる場合,経営者個人を連帯保証人とするのが融資慣行です。貸主側としては,借主が破綻しても,経営者個人に責任追及すれば債権回収が可能と思っているかもしれませんが,保証契約の担保性能は極めて不安定です。例えば,経営者個人の財産を調査すること自体,個人情報保護の観点から多くの障害が存在します。また,経営者個人が破産手続を取られてしまうと,凡そ債権回収は困難になります。単に,保証契約を取り交しただけで安心することなく,融資以前に信用状況の調査をすることが肝要です。

経営者個人側の目線

 中小企業が金融機関等より事業資金を借り入れる場合,経営者個人を連帯保証人とするのが融資慣行です。この融資慣行は,①新規融資を困難にするばかりか,②中小企業の経営者交代にも悪影響を及ぼしています(債権者の承諾なく保証人の地位を移動できないため)。現在,日本商工会議所と全国銀行協会が「経営者保証に関するガイドライン」を公表し,その現状を変えようとしています。
 当事務所所属弁護士が,中小企業基盤整備機構が主催する同ガイドラインのセミナー講師として活躍しておりますので,お気軽にご相談下さい。


投稿者名 柴垣直哉 投稿日時 2015年08月10日 | Permalink