次のような指摘がある。 
「勤続15年(日本のみ14年)を100とした場合の賃金を見ると、日本は勤続年数が15年を超えると44.5%、20年を超えると73.4%、30年以上だと93%も高くなる。
これに対して、ヨーロッパでもっとも年功序列が残っているドイツでもその差は最大で53.8%、“理想の福祉社会”スウェーデンにいたっては勤続年数と賃金はなんの関係もない。徹底した能力主義で、資格を取得して昇進・昇格しなければ何年働いても給料は同じなのだ。」

 年功序列賃金については、経済状況が良いときには、良い日本的慣行として評価されたが、現実には、これからますます変更されていくことだろうと思う。
 しかし、賃金をめぐる法的な紛争を見ていると、給与表など、年功序列を意識した議論が多いと思う。無意識に年功序列を前提としている。確かに、能力主義といっても評価は簡単ではなく、労働者側も納得がいく方法は難しいのが現実だと思う。
 結局は、年功序列と能力主義との間で、何らかの調整をしていくことになる。覚悟を決めて、能力の査定を行い、忠誠心などを年功で評価するような形になると思う。


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