こちらに何か問題があればともかく、人が近づくことに嫌悪するのは、その人に問題がある。
 精神的な病気であるならば、医師の診察を受けるように誘導するべきだろう。
 問題は、病気ではなく、気分で人を避ける場合にどうするかである。このような人は、特殊な人だと思っていたが、そうでもないように感ずる。
 世の中には少なからず、世間の標準的な生き方から離れた人がいる。就職、結婚、人間関係など、これまで標準的には、こうあるべきだという人生のあり方があった。
 世の中全体が経済成長などの目標を定めて1つの方向に動いていた時代であれば、標準的な生き方もありえたが、方向が1つに定まっていない成熟時代では、色々な考え方、生き方がありうるのだと思う。
 このような時代の中で、標準的な生き方のプレッシャーがはずれ、人が近づくことについてすら、嫌悪感を示す人が目立つようになったのではないかと考えている。
 標準的な生き方から、はずれたことを悔い、心配する人もあるし、そんなことはどうでもいいと考える人もいるだろうが、今でも「標準」は生きていて、その影響が出ているのではないかと考える。
 人の生き方が変わるということは、簡単なことではなく、外から変えようとしても、いつになるのかわからないことの方が多い。
 良い方向に変わるように、配慮を続けるべきだろうが、変わらないことも想定して、どうしていくべきかを考えることになると思う。


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