適格性

 親権者指定の判断要素となる適格性は,未成年者の事情(発達状況,居住状況・集団教育等による環境変化への適応状況,健康状態,年齢,兄弟の有無等)に対応する形で,親権希望者の監護能力(意欲,可処分時間,健康状態,性格,経済力等)や監護環境(居所確保,物資確保,教育機関利用への支障度合い,監護補助者の有無等)を考慮します。

適格性が欠ける場合

 裁判例を見ていると,親権希望者の一方につき,適格性に“欠ける”と評価している事案は稀です。肯定した事案は,持病故に監護実施に著しい支障を生じる場合,経済力が皆無に等しい場合又は未成年者へのDVが存在している場合等,一見して監護能力に欠けていると評価できる場合に限定されています。
 父母の双方に適格性を肯定していることも少なくありません。

適格性に優劣が付けられるのか

 それでは,適格性が父母の双方に認められた場合,優劣を判断して勝った方が親権者指定を受けることになるのでしょうか?
 答えは,残念ながら『NO』です。多数の裁判例は,適格性について優劣を判断することなく,他の判断要素(主として監護の継続性維持)によって判断しているのが実際です。一般的に男性側が経済力で勝っていたとしても,そのことだけでは親権者指定に直截的な影響を与える事情とならないでしょう。


投稿者名 柴垣直哉 投稿日時 2016年03月10日 | Permalink