先祖の事業を継承することを美徳とする「考え方」がある。
しかし、事業内容を同じくすることに意義はない。
もちろん、社会から事業内容が評価され、利益を生むものであるならば、事業を変換する必要はない。業態を維持することにより企業が立ち行かなくなるならば、変換しなければならない。

人は、慣れたことしかやりたがらないものである。慣れないことを始めることによる不安、面倒さから、変換しなければならないときでも、そのことを先送りしてしまうものである。
「創造的破壊」という言葉があるが、そこまで強く言わなければ、人は惰性に流れ、業態の変換がはかれないということだと思う。
「大黒柱に車を付ける」という家訓があるように、常に変化に対応し、業態も変換しなければならない。たとえそれが収益源(大黒柱)であったとしても、新たなる収益源を探さなければ、いつか企業は死んでしまう。大黒柱は動かさないものと考えるのではなく、大黒柱こそ動かさなければならない。

人は、未来はこのまま続くものと考えてしまう。過去の成功体験がどうしても重くのしかかる。過去を振り返って、10年の変化を実感できるが、未来を見て、10年の変化を実感できない。
変化が明らかになった時点では、対応は遅すぎることになる。

自分だけであれば、変化に対応できる人でも、集団となると変化のためには障害が大きい。


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