離婚にあたり、子の親権者とならないならば、一生、子に会わない(養育費は支払う前提)ことにした方が良いのではないかと考える人がいます。「自分(父)は、この世にいないことにしてほしい。」とするものです。
 私は、物事に対し、絶対的な正解を求めることに疑問をもっていますが、一生、子に会わないとすることについても、いろいろな考え方があるだろうと思います。したがって、現時点で、これが正解と考えるものはありません。
 子が落ち着いて生活できるようにすることを考える必要があるとは思います。この点に関して、父と母が子に別々に会うのは、子にとって悲しいことで、子が落ち着けなくなるのではないかという心配があります。
 しかし、離婚の場合、多くの子供さんは悲しい思いをすると思いますが、それを乗り越えられていると思います。父母(夫婦)がごたごたしている状態よりは、父母が別々でも落ち着いた関係にあれば、この方が良いと思います。
 父として子に会わないとしたとき、子供さんは、将来、「お父さんはどんな人だろう。」「何をしてくれたのだろう。」などなど、いろいろ考え、知りたいと思うのではないかと思います。したがって、いつか、どこかで、子に会うという時がくるのではないかと考えます。そのとき、父としてどうするか、悩ましい問題が出てくるのではないかと思います。
 また、子との関係は一生の期間続くものであり、未成年の期間よりも大人としてつき合う期間の方が長いと思います。子は、相続人でもあります。
 現時点で、「一生、子に会わない。」と考えるにしても、このような点をよく考え、中長期的な視点をもつことも必要です。
 


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