別居した子供との面会交流を認めた裁判所の判断に,子供を引き取った親(監護親)が従わない場合,金銭の支払を命じて履行強制を促すこと(間接強制)ができるのか,という問題があります。
 近時,最高裁判所は,この問題について,1 面会交流の日時又は頻度2 各回の面会交流時間の長さ3 子の引渡し方法等,監護親がなすべき給付内容が特定していれば,間接強制ができるとの判断を下しました。
 給付特定の具体例を見てみますと,以下のとおりです。

A事案 給付不特定で間接強制は不可。
1 2か月に1回。
2 半日程度(最初は1時間から初め,徐々に時間を延ばす。)。
3 具体的日時・場所・方法は別途協議。

B事案 給付特定で間接強制は可能。
1 1か月に1回,毎月土曜日。
2 6時間(午前10時?午後4時)。
3 交流場所は相手方自宅以外で協議。
受渡場所も相手方自宅以外で協議(協議不調時は○○駅改札前)。
受渡時間に監護親が引渡し,交流終了時に受渡場所で引取り。
監護親は交流場所に立ち会わない。
子が病気等の場合は,代替日を定める。
子の学校行事への相手方参列を,監護親は妨げない。

C事案 給付不特定で間接強制は不可。
1 1か月に1回(土曜日又は日曜日)。
2 6時間。
3 取り決めなし。


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