試行的面会交流とは、家庭裁判所調査官立会いの下で面会交流をテスト的に行い、面会交流場面における親子の交流状況を観察することをいいます。
 夫婦間のトラブルをきっかけとして親子間も別居状態になってしまい、その結果、離婚の調停手続において相手方から正常な親子関係の交流ができるかが懸念され(例えば、「子どもがお父さんのことを怖がるのではないか」等)、お子さんとの面会交流の話が進まなくなってしまうことがあります。
 この場合に有用な方法が試行的面会交流です。裁判所内の玩具や絵本が置いてある専用の部屋において調査官が立会いの下、お子さんが驚いたり怖がったりしない状況を確保した上で、面会交流が行われ、お子さんと二人だけで親子のコミュニケーションがきちんと図れるのかがテストされます。また、試行的面会交流の様子は、隣接する部屋からマジックミラーとモニターを通して、試行的面会交流の様子を見守ることができます。
 試行的面会交流の結果、きちんと親子間のコミュニケーションが図れることが明らかになれば、調停手続において面会交流を認める方向で話がスムーズに動き出すことがあります。ただ、試行的面会交流は通常、一度しか行われないため、一度の面接で親子間のコミュニケーションが上手に図れなかった場合、かえって面会交流を否定する方向に進んでしまうことも有り得るので注意が必要です。


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