これまで、親権を制限する手段としては、期限を定めずに親権を奪う親権喪失制度しかありませんでしたが、 今回の改正(平成24年4月施行)で親権停止制度が新設されました(834条の2)。
 親権喪失制度は、親権者から親権を奪ってしまう制度であることから要件が厳格であり、比較的程度の軽い事案には認められない面があることや、逆に一定期間だけ親権を制限すれば足りる事案には過剰な制限となるおそれがあるなどの指摘がされてきました。
 新たに創設された親権停止制度は、「父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき」に、家庭裁判所に対する親権停止の審判申立を認めるもので、親権喪失の場合のような「著しく」という程度までは要求されていません。請求権者は、子本人、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官、児童相談所長とされています。
 また、親権停止は、2年以内の期間に限って認められます。


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