自分を信用して付いてきた人は大切にしたい。人に迷惑をかけたくない。
 こうした心情は大事なことだと思う。経営者は、こうした心情に反しないように、普段から、先を考えて行動するべきなのだと思う。
 しかし、ぎりぎりの場面は、誰にでも起こりうる。自分の希望をすべて叶えることはできないという場面はいくらでもある。
 こうした場合、どうすれば良いのだろうか。危機時の前に考えておくべきだろう。
 弁護士として経験してきたことからは、次のように考えることにしている。
 先ず、法的に対応するならばどうなるかを明確にする。これを原則の対応とする。「法的には、こうなる。」というのは、割り切りでもある。「すぐに法律を持ち出す。」という批判もあるが、自分の希望をすべて叶えることはできないのであれば、割り切りの方法を見つけなければならないだろう。法は、割り切りの方法としては、合理性があると思う。
 その上で、工夫できるところを考える。自分の希望を反映できるところは、反映する。法的な割り切りをくぐらせることにより、自分のできることを分散させないようにすることができる。何か援助したいという場合など、根本から間違うことがなくなる。
 私は、このように2段に分けて考えることを推奨する。


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