名古屋家庭裁判所の認定例として、次のものがあります。
●在宅介護
 (例:被介護人がアルツハイマーで、介護に協力的でない。介護に要する時間が一日4時間程度の場合)
 一日当り1,500円

●入院介護
 (例:被介護人が老人性痴呆症で、性格上家族以外の介護を受け付けず、付添い時間が一日15時間程度の場合)
 一日当り4,000円

●在宅介護
 (寝たきり)
 一日当り6,500円


 寄与分とは,“共同相続人”中に被相続人の財産の維持・形成に特別の寄与をした者がいた場合,その者に特別に与えられる相続財産への持分です(民法904条の2第1項)。
 寄与分が認められると,相続財産から最初に寄与分が引かれ,残った部分を各相続人の相続分で按分することになります。その結果,寄与相続人は,寄与分と相続分の双方を取得することになる訳です。

寄与分が認められる法律要件

① 他の相続人と比較して「特別の寄与」行為
 相続人は被相続人に対し,生活扶助義務(民法820条・同877条)を負担していることから,その範囲を超える寄与行為が必要です。また,他の相続人が同等の寄与行為をしている場合,特別性が認められません。

② ①により相続財産が維持又は増加したこと
 「維持」とは,減少を防止することを指します。

③ 被相続人が生前贈与・遺言等によって対価を与えていないこと(無償性)
 持戻しが免除された生前贈与や,家業手伝いに対して報酬を与えていた事案では,有償と判断されて否定されています。相続人が,被相続人の収入で生計を賄っていたり,被相続人の土地・家屋を使用貸借等にて無償使用していたりすると,有償と判断される可能性があります。

寄与分の定め方

 寄与分制度は,昭和55年に創設され,公平の見地から,寄与行為に財産権的要素と調整的要素を与えたものです。実務上は,画一的な計量化処理はされておらず,寄与行為の具体的内容に鑑みて,金額又は相続財産の割合(50%未満)で定めるのが通常です。相場については,各寄与行為によって差異がありますので,個別の記事をご参照下さい。


寄与分を主張するためには、「特別」な寄与行為が必要です。
「特別」とは、身分関係に基づいて通常期待される程度を超える貢献をいいます。

<寄与行為の類型・態様(例)>
1 事業従事型(家事従事型・従業員型・共同経営型)
 被相続人の営む事業に対して、無報酬またはそれに近い状態で従事し、労務を提供して、相続財産の維持又は増加に寄与するもの  
 寄与分額算定式
   従業員型
     寄与相続人の受けるべき相続開始時の年間給与額×(1?生活費控除割合)×寄与年数
   共同経営型
     (寄与相続人の受けるべき通常得べかりし報酬+利益配分)?現実に得た給付

2 財産出資型
 被相続人やその事業に対して、財産上の給付あるいは財産的な利益を提供して財産を維持・増加させ、あるいは、債務の返済等により被相続人の財産の維持に寄与するもの
 寄与分額算定式  
   不動産取得のための金銭贈与の場合
    相続開始時の不動産価額×(寄与相続人の出資金額÷取得時の不動産価額)
   不動産の贈与の場合
    相続開始時の不動産価額×裁量的割合
   不動産の使用貸借の場合
    相続開始時の賃料相当額×使用年数×裁量的割合
   金銭贈与の場合
    贈与当時の金額×貨幣価値変動率×裁量的割合

3 療養看護型
 被相続人の療養看護を行い、医療費や看護費用の支出を避けることによって相続財産の維持に寄与するもの
  寄与分額算定式
    相続人が実際に療養看護した場合
     付添婦の日当額×療養看護日数×裁量的割合
    第三者に療養看護させ費用を負担した場合
     費用負担額

4 扶養型
特定の相続人のみが被相続人を扶養し、被相続人の支出を減少させ、その財産の維持に寄与するもの
 寄与分額算定式
    現実の引き取り扶養の場合
    「現実に負担した額」又は「生活保護基準による額」×期間×(1?寄与相続人の法定相続分割合)
    扶養料の負担の場合
     負担扶養料×期間×(1?寄与相続人の法定相続分割合)

5 財産管理型
 被相続人の財産管理をし、被相続人が管理費用の支出を免れるなどにより、被相続人の財産の維持に寄与するもの
  寄与分額算定式
    不動産の賃貸管理、占有者の排除、売買契約の締結などの場合 
     第三者に委任した場合の報酬額×裁量的割合
    建物の火災保険料、修繕費、不動産の公租公課の負担などの場合
     負担額ー相続人の利用利益