寄与分を主張するためには、「特別」な寄与行為が必要です。
「特別」とは、身分関係に基づいて通常期待される程度を超える貢献をいいます。

<寄与行為の類型・態様(例)>
1 事業従事型(家事従事型・従業員型・共同経営型)
 被相続人の営む事業に対して、無報酬またはそれに近い状態で従事し、労務を提供して、相続財産の維持又は増加に寄与するもの  
 寄与分額算定式
   従業員型
     寄与相続人の受けるべき相続開始時の年間給与額×(1?生活費控除割合)×寄与年数
   共同経営型
     (寄与相続人の受けるべき通常得べかりし報酬+利益配分)?現実に得た給付

2 財産出資型
 被相続人やその事業に対して、財産上の給付あるいは財産的な利益を提供して財産を維持・増加させ、あるいは、債務の返済等により被相続人の財産の維持に寄与するもの
 寄与分額算定式  
   不動産取得のための金銭贈与の場合
    相続開始時の不動産価額×(寄与相続人の出資金額÷取得時の不動産価額)
   不動産の贈与の場合
    相続開始時の不動産価額×裁量的割合
   不動産の使用貸借の場合
    相続開始時の賃料相当額×使用年数×裁量的割合
   金銭贈与の場合
    贈与当時の金額×貨幣価値変動率×裁量的割合

3 療養看護型
 被相続人の療養看護を行い、医療費や看護費用の支出を避けることによって相続財産の維持に寄与するもの
  寄与分額算定式
    相続人が実際に療養看護した場合
     付添婦の日当額×療養看護日数×裁量的割合
    第三者に療養看護させ費用を負担した場合
     費用負担額

4 扶養型
特定の相続人のみが被相続人を扶養し、被相続人の支出を減少させ、その財産の維持に寄与するもの
 寄与分額算定式
    現実の引き取り扶養の場合
    「現実に負担した額」又は「生活保護基準による額」×期間×(1?寄与相続人の法定相続分割合)
    扶養料の負担の場合
     負担扶養料×期間×(1?寄与相続人の法定相続分割合)

5 財産管理型
 被相続人の財産管理をし、被相続人が管理費用の支出を免れるなどにより、被相続人の財産の維持に寄与するもの
  寄与分額算定式
    不動産の賃貸管理、占有者の排除、売買契約の締結などの場合 
     第三者に委任した場合の報酬額×裁量的割合
    建物の火災保険料、修繕費、不動産の公租公課の負担などの場合
     負担額ー相続人の利用利益


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