企業を経営していくにあたり必要とされる契約書は多岐にわたります。
すでにご紹介した取引基本契約書、機密保持契約書、業務提携契約書以外にも、業務を外部にアウトソーシングする場合の業務委託契約書や、商品やサービスの販売網を拡充するための代理店契約書やフランチャイズチェーン加盟契約書、人事労務についての労働者派遣契約書、出向契約書などあげればきりがありません。
このように多くの契約書を企業は処理していかなければならないのですが、注意すべき点は契約書の種類ごとに異なりますし、同じ契約書であったとしてもケースバイケースで変更する必要がある点もあります。
契約書の内容の十分なチェックを行いまま契約を進めてしまったり、個別の事情を考えずに典型的なひな形を使って契約を進めると、後々に思いもしなかったトラブルが発生することがあるので注意が必要です。


 皆さんが住宅などを購入・賃借する際、必ず重要事項説明書というものが交付されます。しかし、この重要事項説明書を皆さんはどこまで注意して見ていますか。実はこの重要事項説明書には様々な情報が記載されています。
 そもそも、不動産取引における重要事項説明書とは、宅地建物取引業法35条を根拠としたものです。この条文は、住宅などを購入・賃借する際に、相手方が最低限説明しなければならないことを定めており、この説明事項を書面化したものが重要事項説明書になります。
 しかし、皆さんも身に覚えがあるかもしれませんが、実際には重要事項説明書の記載1つ1つを口頭で説明されることはありません。書類を渡され、本当に重要な記載をいくつか説明されておしまいです。
 ですが、本来、重要事項説明書は契約を締結するかしないかを判断する材料として交付されるものであり、非常に重要なものです。
 また、重要事項説明書は法律で定める最低限の記載事項を記載したものがほとんどであるため、実際に居住するにあたっては重要な要素であるのに重要事項説明書には記載されていないということは多々あります。
 後に「話が違うじゃないか!」として納得いかないまま住宅に住み続けることを避けるためにも、契約をする際には重要事項説明書などの交付書類をよく読み、住宅の構造や周辺環境などについて、少しでも気になることは積極的に確認するようにしましょう。


 契約書を作成するとき、皆さんは何を意識していますか。
 通常、契約書というものは、相手方と新たな関係を構築する際に作成することが多いため、相手方との関係が壊れた場合まで意識して作成することは少ないといえるでしょう。
 しかし、契約をめぐるトラブルは、得てして相手方との関係が壊れた場合に顕在化します。
 したがって、契約書を作成する際には、契約の解除や損害賠償の定めなど、契約が終了する場合に問題となる規定を意識した方がよいでしょう。