所有権と著作権

 所有権と著作権、この2つは大きく異なります。
 所有権は有体物、つまりモノを自由にできる権利です。一方、著作権は無体物、つまり目に見えない部分について発生する権利です。
 この2つを混同してしまうと、トラブルの原因となります。たとえば、契約書上、制作を依頼した物の所有権の移転時期が明記されていたとしても、それは所有権の所在についてのみ意味をもつものであって、著作権の帰属には何ら影響を及ぼしません。
 映像や音楽の制作・編集等に関して契約を締結する場合、成果物の所有権に気をとられて著作権の所在をおろそかにしないようにすべきです。繰り返しますが、所有権と著作権は全く別の権利です。


投稿者名 河本和寛 投稿日時 2017年09月08日 | Permalink

契約書作成の際の注意点

 契約書を作成するとき、皆さんは何を意識していますか。
 通常、契約書というものは、相手方と新たな関係を構築する際に作成することが多いため、相手方との関係が壊れた場合まで意識して作成することは少ないといえるでしょう。
 しかし、契約をめぐるトラブルは、得てして相手方との関係が壊れた場合に顕在化します。
 したがって、契約書を作成する際には、契約の解除や損害賠償の定めなど、契約が終了する場合に問題となる規定を意識した方がよいでしょう。


投稿者名 河本和寛 投稿日時 2017年03月15日 | Permalink

重要事項説明書とは

 皆さんが住宅などを購入・賃借する際、必ず重要事項説明書というものが交付されます。しかし、この重要事項説明書を皆さんはどこまで注意して見ていますか。実はこの重要事項説明書には様々な情報が記載されています。
 そもそも、不動産取引における重要事項説明書とは、宅地建物取引業法35条を根拠としたものです。この条文は、住宅などを購入・賃借する際に、相手方が最低限説明しなければならないことを定めており、この説明事項を書面化したものが重要事項説明書になります。
 しかし、皆さんも身に覚えがあるかもしれませんが、実際には重要事項説明書の記載1つ1つを口頭で説明されることはありません。書類を渡され、本当に重要な記載をいくつか説明されておしまいです。
 ですが、本来、重要事項説明書は契約を締結するかしないかを判断する材料として交付されるものであり、非常に重要なものです。
 また、重要事項説明書は法律で定める最低限の記載事項を記載したものがほとんどであるため、実際に居住するにあたっては重要な要素であるのに重要事項説明書には記載されていないということは多々あります。
 後に「話が違うじゃないか!」として納得いかないまま住宅に住み続けることを避けるためにも、契約をする際には重要事項説明書などの交付書類をよく読み、住宅の構造や周辺環境などについて、少しでも気になることは積極的に確認するようにしましょう。


投稿者名 河本和寛 投稿日時 2017年02月22日 | Permalink