令和元年会社法改正の資料(2)

 第2弾です。
 「別冊商事法務 454号」:「令和元年改正会社法②」です。
 ここには、商事法務に連載されていた立法担当者解説と、研究者による解説並びに実務家による解説が収録されています。
 また、部会長であった神田秀樹先生を交えた座談会も収録されており、その中で、施行期日について、年度内という発言がなされていたのです。
 別冊商事法務447号は省いて、この一冊でも十分です。

 なお、会社法施行規則等の省令の改正案については、旬刊商事法務2240号に掲載されています。



投稿者名 池野 千白 投稿日時 2020年12月14日 | Permalink

令和元年会社法改正の資料(1)

 令和元年会社法改正の施行期日も確定したことですから、改正法への対応が迫られています。そのためには、まず勉強しなければね。
 ということで、私も、その概要をしたため6りますので、以下、ご参考ください。

https://chukyo-u.repo.nii.ac.jp/
 ここから、研究機関→法務研究所→中京ロイヤー→33号でアクセスできます。

 さて、ここでは、数回に亘って、基礎資料を紹介したいと思います。
 まずは、基礎資料中の基礎資料を。
 「別冊商事法務 447号」:「令和元年改正会社法①」です。
 中間試案・要綱・新旧対照表が掲載されています。
 改正経緯からじっくり勉強したい人に向いています。
 




投稿者名 池野 千白 投稿日時 2020年12月14日 | Permalink

令和元年会社法改正の施行日

 のびのびになっていた改正会社法の施行日が決まりました。
 これまでだと、令和元年改正ですから、令和2年4月1日施行と言うことになるはずだったのですが、のびのびとなっていました。
 この9月に、ようやく、会社法施行規則等の省令の改正案が発表されていたので、令和3年には、施行する気はあるのだと思っていました。
 また、商事法務の関係者の座談会では、年度内にはという発言もありましたので、いったいどうなるのかという感じでした。
 そして、ついに、11月20日の政令で、施行期日が公布されました。
 なんと、令和3年1日ということです。
 通例であれば、3月31日基準日の定時総会に影響を与えないために、4月1日や5月1日が多いのですが、3月でした。
 一部の推測では、改正会社法305条4項の「議案通知請求の数を10を上限とする」という改正部分を、今度の定時総会に適用するためだ!などとも言われています。
 したがって、10を超えた数の通知請求があった場合にも、どういうルールで、10に限定するのかということを、取締役会で事前に決定しておく必要があります。急務です。
 なお、株主総会の資料の電子提供については、まだ先ですので、これの対応はまだゆっくりで良いです。しかし、着実にシステムの利用等について、準備を始める必要はあります。


投稿者名 池野 千白 投稿日時 2020年12月14日 | Permalink

会社法改正要綱案・各論(8)株式交付制度

 要綱案の「第三部 その他」には、もう一つの新設制度として、「株式交付」制度が提案されている。
 「株式交付」とは、「株式会社が他の株式会社をその子会社とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付することをいう。」と定義される。
 簡単に言えば、株式交換という制度から、「完全」という部分を除いた制度と言えようか。
 そして、株式交付の結果、親会社となる会社を「株式交付親会社」と称し、株式交付の結果、子会社となる会社を「株式交付子会社」と称する。
 完全親子関係を創設する制度としては、株式交換制度があるが、完全親子関係までいかないのであれば、利用できない。現行法制度で行う場合には、株式の現物出資による新株発行しかなく、検査役の調査等が必要となり、手続きが煩雑である。そこで、株式交換同様の簡易な方法での、完全親子関係ではない、親子関係創設の制度を新設するということである。
 しかし、新たな子会社を有することは、リスクを伴うこともあることから、株主保護手続等を、以下のように、株式交換同様定めた。
 ①株式交換計画の作成
 ②株式交換親会社におる株主総会特別決議による承認
 ③反対株主の株式買取請求権
 ④株主による差し止め請求権
 ⑤債権者意義制度(譲渡対価が株式等以外の場合)
 ⑥株式交付無効の訴え


投稿者名 池野 千白 投稿日時 2019年06月07日 | Permalink

会社法改正要綱案・各論(7)社債管理補助者

 要綱案の「第三部 その他」には、「社債の管理」という項が置かれ、社債管理補助者制度の新設が検討されている。
 現行法上、担保付社債を発行するには受託会社をさだめなればならず(担信法2条)、また、無担保社債の場合でも、原則として、社債管理者を定めなければならない(会社法702条本文)。しかし、例外規定に基づき(同条ただし書)、社債管理者を定めていないのが実務である。それは、社債管理者のコストの問題やなり手の問題とされる。他方で、最近、社債を利用した投資詐欺が発生しており、社会的問題となった。
 このような状況を踏まえ、社債管理者を定めない場合に、限定された権限を有する社債管理補助者制度の新設となった。これにより、社債に関する最低限の事務業務を確保するとともに、コストの問題も解決しようとするものであろう。なお、社債管理補助者は、社債管理者同様、誠実義務と善管注意義務を有するとされる。
 ここでにわかに議論となっものが、弁護士がこの社債管理者になれるかどうかという問題である。社債管理補助者の資格については、法務省令で定められることになるが、弁護士法人・弁護士が想定されている。
 


投稿者名 池野 千白 投稿日時 2019年06月07日 | Permalink