1 贈与のメリット
平成13年より、贈与税の基礎控除の枠が、贈与を受ける人一人当り60万円から110万円と引き上げられました。
また、相続は遺言がある場合を除き、相続人以外に財産を相続させることはできませんが、贈与は相続人以外の方にも行うことができます。

2 贈与時の注意点
上記のように、財産を相続でなく贈与によって遺すことにはいくつかのメリットがありますが、名義や贈与後の資産の管理状況により、贈与したとみなされないこともあるため、どのように行えば贈与が成立するか、専門家に相談されることをお勧めします。

例えば、あなたが幼い孫のために、孫の印鑑を作り孫名義の預金口座を開設して、その口座に預金していたとします。
しかし、孫が幼いことを理由にあなたが印鑑と通帳を管理し、自分が死んだら渡すつもりでいた場合に、もし孫に渡す前にあなたが亡くなってしまったらどうなるでしょうか。
税務調査の段階で、「おばあちゃん(おじいちゃん)が孫のために残したお金」すなわち「相続財産」と判断されてしまうことは想像に難くありません。

「死んだら渡すつもり」の財産は、相続財産です。
もし、ご自分が亡くなってから財産を贈与したいのであれば、「死因贈与」という制度がありますが、死因贈与は契約ですから受贈者(受け取る人)と意思を確認し合うことが必要ですし、贈与者の死後、受贈者と相続人の間でトラブルが起きる可能性がありますので、公正証書で契約書を作成しておくことが必要でしょう。
なお、死因贈与は、贈与税の対象ではありません。遺贈と同じで相続税が課されます。


シェアする