遺留分は、(被相続人が相続開始の時において有した財産の価額)+(贈与した財産の価額)?(債務の全額)という方法で算定します(民法1029条1項)。
 特別受益財産も遺留分算定の際の基礎財産に含まれますが、民法1030条は、相続開始前1年間よりも前にした贈与については、当事者双方が遺留分権利者に対して損害を加えることを知って(害意あって)贈与したもののみを遺留分算定の基礎に含む、と規定しています。
 これによれば、特別受益が贈与による場合に、1年以上前の贈与(特別受益)については、害意がない場合、遺留分算定の基礎とならないように解釈できますが、この点判例(最高裁平成10年3月24日判決)は、「特別受益相続人に対する贈与は、相続開始よりも相当以前になされたものであって、その後の時の経過に伴う社会経済事情や相続人などの関係人の個人的事情の変化を考慮するとき、減殺請求を認めることが相続人にとって酷であるなどの特段の事情がない限り、民法1030条の要件(害意)を満たさなくても、遺留分減殺の対象となるものと解するのが相当である。」としています。よって、特別受益は、害意の有無にかかわらず原則として遺留分算定の基礎となり、特別受益分を加算して、遺留分侵害の有無を判断することとなります。

なお、被相続人は、遺言書によって、特別受益については関係ないものとして遺産分割を行うように指示することも可能で有効です。
ただし、この場合でも、遺留分を侵害された遺留分権利者は、遺留分減殺請求を主張することができます。


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