「給与はすべて妻(夫の場合もあるだろうが)に渡しています。」という人がいる。そのことにより夫婦仲が良くなり、最後まで夫婦が安泰ならば良いことだと思う。
 しかし、離婚に関与する弁護士としては、そうでないケースを何度も見てきた。妻がどこに財産を置いているかわからないと、不利益を受けることがある。自分の収入からすれば相当額残っているはずだと主張してみても、財産の所在を立証できなければ、妻から財産を取り戻せないのが現実だ。
 ただ、逆に、財産のすべてを夫が管理し、妻には領収書で確認できた金額しか渡さない人もいるが、それは夫婦のあり方として、うまくいかないだろう。
 結論としては、どこかでバランスがとれる線を見つけるしかないだろう。何か駆け引きのように感ずる人もいるかもしれないが、駆け引きをしなさいということではなく、仲良くバランスをとることはできると考えて、話をした方がよいだろうと思う。


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