平成17年の判例として、夫がサラリーマンとして財産の形成の基本部分を負担し(妻は専業主婦)、平成元年に相続が開始した夫の父親の遺産のうち、家計費や財産分与の基礎財産にどの程度繰り入れられたか証拠上明らかではないが、全く遺産からの流入がないとは言えないとして、寄与割合を夫6割、妻4割としたものがある。
 夫が父から相続した財産は、本来、離婚の際、分割の対象となる共有財産ではない。しかし、これが崩されて、共有財産にまぎれ込んでしまったとき、それを寄与割合で評価したものである。財産分与の基礎財産に、どの程度繰り入れられたか明確であれば、もっと評価されたかもしれない。この点で、財産を相続などで取得した人は、注意する必要がある。


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