少し難しい話になりますが、条文の論理的な解釈からは、問題も出てきます。
 民法755条の規定からは、婚姻届出後に契約をしても、夫婦財産契約にはあたらないことになります。
 それでは、通常の契約としての効力はどうか。夫婦財産契約が存在しないということになれば、民法760条以下が定める法定夫婦財産制によることになっています。民法758条1項は、夫婦の財産関係は、婚姻の届出後は、変更することはできないとするため、法定夫婦財産制から、契約によって定められる夫婦財産制に変更することはできないことになります。
 しかし、婚姻破綻後にもかかわらず、何とか合意に達しているのに、その効力がないとするのは、実際的に妥当でないとの判断がなされます。
最高裁判決も、傍論ながら、合意の効力を認めています(最判昭43.9.20)。


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