夫婦が、婚姻の届出前に、その財産について別段の契約(夫婦財産契約)をしなかったときは、その財産関係は、法律の定めるところ(法定財産制)によります。
 日本では、夫婦財産契約は、あまりなされていません。したがって、多くの夫婦は、法定財産制が適用されて、離婚の場合も、それによって決められます。
 夫婦財産契約が、なぜあまり利用されていないのかについては、いろいろ意見があるところだと思いますが、基本的には、利用しにくいからでしょう。

 婚姻の届出前(同時もOK)に契約しなければいけないこと。
 登記をしなければ、夫婦の承継人・第三者に対抗できないこと。 
 夫婦財産関係は、婚姻届出の後は、変更できないこと(管理が失当の場合、例外あり)。
以上の点が、利用しにくい点でしょう。

 契約は自由である原則からすると、現代に合わない規定だと思います。
 しかし、それでも、目的によっては、利用してみる価値があるでしょう。たとえば、妻が夫の家を自宅として利用する場合、その保護をより強くするためには、有効です。
 また、夫婦間での効力のみに限定しても良いのであれば、登記の必要はありません。


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