離婚等といった人生の転機に、自らや子どもの名前を変えたいと考えられる方がみえます。
 名前の変更については、戸籍法107条の2が「正当な事由」が認められる場合には家庭裁判所の許可を条件として変更することを認めています。
この「正当な事由」は、氏の変更の要件である「やむを得ない事由」と比べればハードルは低いのですが、そう簡単に認められるものでもありません。
例えば、「正当な事由」が認められるのは、
?現在の名前が、奇異であったり(典型的には、昔「悪魔」という名前を子どもにつけようとした親がいましたが、その申請が認められてしまったような場合です。)、難解、難読で社会生活上支障があるような場合。
?長年にわたって本名ではない通称を使用しており、通称が社会的に定着してしまっているときに通称に変更する場合(成人の場合、少なくとも5年以上の継続した通称の使用、子どもの場合は、3年程度の通称の使用が必要であるといわれています。)
などといった場合です。
 最近増えてきているのが、父と母が外国籍で、その子どもに日本名と外国名の双方の名前を続けてつけた場合に、子どもの名前を日本名だけにしたいという事例です(例えば、「エリザベス花子」という名前を「花子」だけにしたいというような場合です)。このような場合、日本で生活するうえで、複数の名前をひとつにしたものは奇異に感じられることがあるとして、家庭裁判所は「正当な事由」を認めることが多いようです。


シェアする