富山刑務所の指導技官・倉島英二(高倉健)は、最愛の妻・洋子(田中裕子)を53歳で亡くした。
 洋子は2枚の絵手紙を遺言として残しており、1枚には、「遺骨は、故郷の海に散骨してほしい。」と記されていた。もう1枚は、洋子の生れ故郷である長崎の平戸市の郵便局へ局留で送られ、10日以内でしか受け取れないという。
 倉島は、妻の真意を知るため、手作りで改良したキャンピングカーで妻の故郷・長崎へと向かう。

 洋子は、なぜ散骨を頼んだのか。 洋子は、夫を束縛しない生き方を示したということだろうか。
 「夫婦仲良くいつまでも」という話は多いし、わかりやすいだろう。それが理想だと考える人も多いだろう。この映画も、その考え方を表現したものと考える人も出てくるだろう。
 しかし、「夫婦仲良くいつまでも」の中で、別の生き方が突きつけられているように感ずる。夫婦であっても、それぞれの人生がある。夫婦の段階により、夫婦のあり方は、どんどん変わってくる。映画は、人生のいろいろを示していると思う。


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