週刊新潮(2009年12月24日)に、タイガー・ウッズの嫁と山拓さんの妻とを比較した記事が出ていた。
 タイガー・ウッズの嫁の怒りが醜聞合戦を招き、ツアー出場の無期限自粛に追い込まれたのに対し、山拓さんの妻の方がずっと偉かったのではないかという内容である。
 1人の男性として見たとき、大いに納得できることであるが、離婚事件にまで至った案件を担当する弁護士としての立場から見たとき、現実にはなかなかそのとおりにならないと感ずる。
 しかし、世の中には離婚事件にまで至らないケースも相当数あるから、賢妻も多いと思う。
 賢妻を得た者は幸せであると思うが、賢妻を育てることはいつからできるのだろうかと考えてしまう。
 多くの離婚の相談を受けていると、その中には、離婚した方が良いのかどうかという相談も相当数あり、それは法律相談とは別の次元の話となる。
 弁護士としては、基本的に依頼者の意向を第一に考えるため、離婚するかどうかの判断は、ご自身の判断であると申し上げるが、離婚しない方が良い場合があることも確かだと思う。

 なお、この記事については、次のような指摘を受けました。
「週刊新潮の記事を読まずにこの文章だけを読むと、『妻は夫の不貞を怒ってはいけない』『夫が不貞をしても何も言わず我慢するのが賢妻だ』と言われているように感じます。記事の内容をよく知りませんが、『夫を叱ることは叱るが、対外的には感情的にならず、落ち着いて対応できるのが良い妻だ』ということなのではないですか。」
 私も同意見です。


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