大須観音展

 大須観音は、国宝の「古事記」をはじめ、古典籍の宝庫であることは、知らなかった。「古事記」の写本の中で一番古く、最善本と評価されている。

 このことが実現したのは、多くのことが積み重ねられた結果である。
1 大須観音(真福寺)初代の能信(伊勢出身)が、多くの弟子を率いて書写を始めたこと
2 真福寺は、木曽川・長良川のデルタ地帯にあったが、徳川家康は、洪水の被害を心配して、文庫をお寺ごと、現在の場所に移転させたこと
3 東大教授の黒板勝美が、本格的調査・整理を行い、詳細な目録を完成させ、耐火性の高い鉄筋コンクリート造の建物に文庫を保管したこと(名古屋大空襲により、大須観音の伽藍が街もろとも焼失した中で、文庫は残った。)
などなど。

 文庫を宝とした考え方に感銘を受ける。また、承継のための努力・判断にも感銘を受ける。

 これに対して、現在は、「文庫」として残すものが何かを考えなければならないだろう。


投稿者名 管理者 投稿日時 2012年12月25日 | Permalink