祖父母、父母、子(孫)の関係

 縄文時代は、大変な文化力を認めることができる。
 これは、定住してムラを営むことができるようになり、老人が動き回るような生活をしなくてもすむようになったことから、「おじいさん、おばあさんから孫へというメカニズム、仕組みができあがった結果」であるとされる(「縄文人の世界」梅原猛編、角川書店 28頁から32頁)。
 働き盛りの若い時は、一生懸命、外で頑張っていて子どもの面倒はなかなか見きれないため、親から子どもへというのは、文化はあまり伝わらない。親は、子どもの育て方について、初めての経験の場合、必ずしもうまくできるものではない。これに対して祖父母の場合、どのようなやり方をすれば良いかわかっていることが多い。
 この点については、自分の経験に照らしてみても、子どもが1人で生活するようになった現在の自分の年齢・立場になってみると、実感として理解できるところである。
 したがって、祖父母の役割は、人間社会の成り立ちに根ざしたものであり、現代においても、その必要性は認められると思う。
 ただし、自分が親(父母)として子を育てているときは、祖父母の役割をそれほど認識していたものではないため、祖父母として口をはさむときは注意が必要だろう。


投稿者名 管理者 投稿日時 2010年12月21日 | Permalink