B6 大西康明(1979ー )体積の裏側

 大西康明の作品を「彫刻」であると見るならば、「近代彫刻において重要とされる概念「重量感」「動勢」「形態」などが独自の方法で読み替えられているのが分かる。」(中村史子)(7頁)と言うこともできるだろう。
 しかし、ポリエチレンシート、垂れた接着剤、扇風機などは、重力が作用する空気のある空間を意識させるものであり、自然法則をそのまま感じさせるものである。また、垂れた接着剤の材質には科学の成果が込められており、科学への親和性を感じさせる。
 「体積の裏側」という題の付け方は、彫刻の文脈の中に作品を位置づけようとする意識の現われであろうが、私には、科学の成果に基づいた自然法則の具現であるように思われる。その意味で、作家が「一般に造形化しづらいもの―現象や気配とも呼ぶべきもの―を浮かび上がらせようとする」(中村史子)という点は、そのとおりだと思う。


投稿者名 管理者 投稿日時 2011年12月01日 | Permalink