A15 伊津野雄二(1948?)の木彫刻

 彫刻は、絵画よりも空間を必要とする。この結果として、空間に対する影響力は、大きなものがある。
「eyes 母子像」と題する作品は、母子の間に、緊張感がある。2人の視線は、母の眼の位置が、子より少し高い。子は、遊離したように、背伸びして、母と向き合っている。
対になる作品として、母がひざまずき、子と向き合うものがあるが、そこには、緊張感が薄い。
子は、背伸びしてでも、親と向き合いなさいというメッセージを強く感じる。
母子像は、通常、母子が一体となり、母が後ろから寄り添うものや、向き合っていても母が子を包むものが多い。しかし、この作品は、それを突き放している。この異質性が気に入っている。


投稿者名 管理者 投稿日時 2011年12月01日 | Permalink