C3(1) 現代美術は、ある言語で展開されている世界のようだ。

 現代美術は、現在生きている芸術家が中心となって展開されている世界であり、その評価がある程度確定してる古典(現代美術の前くらいの意味)と異なり、評価は様々である。
 このため、登場してくる現代美術の作家の数は非常に多く、その考え方、評価も多様となっている。これに対して、古典の世界は、もっと多くの作家が存在していたことはまちがいないが、大部分は忘れさられて、紹介されることも少ないため、名前の通った作家の世界となっている。
 したがって、現代美術の世界を見て歩こうとすると、その歴史だけでも、様々なアート・○○イズム(考え方)が展開され、ある言語(英語圏とか日本語圏とか)の世界に放り込まれたような印象を受ける。
 現代美術の作品も、作品をそのまま楽しめば良いという考え方もあるのだろうが、現代美術の作品が理解しにくいと感じるのは、それがある言語の世界だからではないかと思われる。
 このように考えると、現代美術を理解し、楽しむためには、語学の習得に近いところがあると思う。言葉を覚え、ボキャブラリーを増やし、ある程度の文法に基づいて組み立て、実際に声に出して使い、文章を書き、相手方の様子を見る、コミュニケーションを行う、というような手順を踏むことになるだろう。


投稿者名 管理者 投稿日時 2011年11月30日 | Permalink