自賠責保険と聞いて、どのようなイメージを持たれますか。人それぞれかもしれませんが、「支払われる保険金額が低い」というイメージが強いように感じられます。
 勿論、一面では正しいのですが、自賠責保険も意外に捨てたものじゃありません。
 例えば、任意保険未加入の自動車による事故に遭われた場合、頼りになるのは自賠責保険です。また、加害者が自分の落ち度を全く認めないため、加害者側の任意保険会社も対応してくれないような場合、とりあえず自賠責保険に対して被害者請求を行い、早期に被害の一部回復を図ることができます。自賠責保険は被害者救済を主たる目的とする制度ですから、任意保険と比べて、被害者の過失に対しても寛容で、重大な過失があったときに限り保険金額が減額をされるというのも被害者にとって大変有り難い点です。


 自賠責保険(俗に強制保険とも言います)とは、自動車損害賠償保障法で保険契約の締結を強制されている保険です(なお、自賠責共済も基本的に同じです)。
 これに対して、任意保険とは、保険契約を締結するか否かが任意とされている保険です。
 自賠責保険は、人身損害にしか保険金が支払われませんし、保険金額の上限が低額(例えば、死亡の場合で3000万円)ですから、万一、事故の加害者になった場合のことを考えると、任意保険を契約するのが当然と考えたほうが良いでしょう。